「認知の歪み」という言葉をご存知でしょうか。
これは、物事を偏った見方で捉えてしまう思考パターンのことです。
例として、「全か無かの思考(全てを白か黒かで判断してしまう)」や「~すべき思考」などが知られています。
誰にでも多少はあるものですが、その偏りが強くなりすぎると、生きづらさやメンタル不調につながることがあります。
このページではそんな「認知の歪み」について、簡単にご紹介します。
※具体的な認知の歪みのパターンや詳細の説明は、このページでは省略しています。ネット上に分かりやすい解説記事が多数ありますので、もし興味のある方は検索してみてください。
認知の歪みがあるのは、あなたのせいではありません
まずお伝えしたいのは、認知の歪みがある自分をおかしいと思ったり、弱い、ダメだなどと思って責めたりすることは可能な限りしないでほしい、ということです。
認知の歪みは、幼少期の体験(特に身近な大人との関わり)やトラウマ体験、ストレスが長く続く環境などの要因が絡み合って生まれることが知られています。
例として、小さなミスを執拗に指摘されるなど、完璧であることを求め続けられた子どもは、「完璧でないと価値がない」と思い込んでしまい、「全か無かの思考」を身につけやすくなります。
自分を守るために、そうした考え方を身につけざるを得なかった方も多いのではないでしょうか。
いずれにしても、認知の歪みがあるのはあなたの責任ではなく、あなたは悪くありません。
認知の歪みを知るには
原因が何であるにせよ、もし自分を苦しめうる要因があるならそれを知って、ゆるめたいと感じる方も多いかと思います。
これにはネットで検索すると出てくる、認知の歪みをセルフチェックできるサイトの活用がおすすめです。
一連の質問に回答することで、自分にどんな傾向があるかを知ることができます。
※正確な診断には専門家の助けが必要です。あくまでも参考としてご活用ください。
認知の歪みをゆるめるには
※以下で紹介する方法は、心理的な負担を伴う場合があります。無理をせず、心身の状態に応じて、主治医や専門家と相談しながら取り組むようにしてください。
※ここでは概要のみご紹介しています。詳細が気になった方は、ご無理のない範囲で調べてみてください。
認知行動療法
認知の歪みにアプローチする方法として最もよく知られているのが、認知行動療法(CBT)です。
個人で取り組む際には、「コラム法」と呼ばれる心理ワークがよく用いられます。
また最近では、認知行動療法に特化したアプリなどもあります。
ご自身が続けやすく、効果を感じやすい方法を探してみるのも良いかと思います。
一人で頑張るのはなかなか難しいと感じた場合は、カウンセリングや専門家のサポートを活用するのもおすすめです。
インナーチャイルドワーク
もう一つご紹介したいのが、インナーチャイルドワークです。
これは、自分の中にいる「傷ついた子どもの自分(インナーチャイルド)」に意識を向け、癒してあげるワークです。
認知の歪みを生んでいる大きな要因の一つは、過去の傷つきです。
イメージとしては過去の傷ついた自分が、「こうしないとまた傷つくよ!」と言って今の自分を守ろうとしてくれているような感じでしょうか。
ただその働きが今の環境に合っていなかったり過剰だったりすると、生きづらさを生んでしまうこともあります。
そんな過去の自分に「ありがとう、もう大丈夫だよ」と言って抱きしめ、慰めてあげることで、行き過ぎた防衛反応をゆるめることができます。
おわりに
「認知の歪み」は、完全な悪者ではありません。
時にはあなたを守り、助けてくれていたものですし、「あなたらしさ」の一部でもあります。
ただもしそれが今のあなたにとっては少し過剰で、自分を苦しめていると感じたら。
ゆるめたり、手放す取り組みをすることで、少し楽に生きられるようになるかもしれません。
このページが、少しでもあなたの役に立てば幸いです。