こんにちは。
くれたけ心理相談室 心理カウンセラーの、國木晋之介です。
ゴールデンウィーク期間は、いかがお過ごしでしたでしょうか。
久しぶりに親御さんやお子さんに会われた方もいらっしゃるかと思います。
今日は、タイトルに書いたような悲劇についてまとめてみます。
※本記事では、「親は子の幸せを願って接する」という前提で書きます。必ずしもそうではなかったり、親の期待が入り混じることも多いと思うのですが、そこには本記事では触れません。
※読んでいて、お辛い気持ちになることがあるかもしれません。その場合は読むのを中断し、安全な環境で心を休めていただければと思います。
改めまして、本題です。
親は、基本的には子の幸せを願って接することが多いかと思います。ただ、それがそのまま子の幸せに繋がるかというと、そうでもないことも多いです。
最もよくある例は、「より勉強ができた方が良いだろう」と思って接するパターンでしょうか。
「勉強しなさい」と言ったり、成績が良かったら褒めたり。
それ自体は問題ないと思うのですが、前提として「もし勉強ができなくても私はあなたのことがとても大切だよ」というメッセージが伝わっていないと、「勉強ができないあなたはダメなんだよ、いらないよ」というメッセージとして伝わってしまうことがあります。
そんなわけないじゃないか、勉強ができなくても大切だなんて当然のことじゃないか…と思われるかもしれないのですが、意外と子の側はそういうふうに感じていなかったりします。
日々、子を大切に思っている親からすると当たり前のことすぎて、わざわざ言わなかったり「言わなくても伝わってるでしょ」と期待したりするのですが、実は伝わっていないというケースも多いです。
「親はどんな私でも大切に思ってくれるし、味方でいてくれる」という感覚が無い子にとっては、親の何気ない一言や冗談のつもりで言ったこと、からかい、叱責などが、容易に「脅迫」になってしまいます。
親に見捨てられることは子にとっては生命の危機なので、とてつもない恐怖です。
「⚪︎⚪︎ちゃんは△△ができて偉いね」といった褒め言葉から、「◻︎◻︎しちゃダメでしょ」といった叱責まで…。その全てが子の心にほの暗い恐怖感を与え、傷を残します。
例えるなら、「見捨てる」というナイフをチラつかされたり、喉元に突きつけられているようなイメージでしょうか。
親としては全くそんなつもりはなくて、子が長所を伸ばしたり、人から疎まれないようになって欲しいと願ってのことだったり、ちょっとしたコミュニケーションのつもりなのですが…。
そうしてできた心の傷は、子が他者と接する時に強烈に疼きます。
「能力がないと価値がないと思われるのではないか」「相手の期待に沿わないと見捨てられるのではないか」と感じさせ、人に気ばかりつかったり、本心やありのままの自分を抑えて相手に合わせることを強います。
結果として子は親の願いとは真逆に、人との関わりを心から楽しめなかったり、人と関わることに過度な疲れを感じたり、人と良好な関係を築けなくなってしまいます。
この悲劇を回避する方法は、「どんなあなたでも大切だし、絶対に味方だよ」というメッセージを伝え続けることです。
ちゃんと言葉にしたり、抱きしめたり…。
伝えるのが恥ずかしかったり、伝えられた側が恥ずかしがったり嫌がったりすることもあると思うのですが、それらを乗り越えて思いが伝わった時、子の心には生きる上で最も大切な土台が築かれます。
もし、この記事を読んでくださっている方にお子さんがいらっしゃったら…。できる範囲で、お子さんを大切に思う気持ちを伝えてあげてください。
きっとその関わりは、お子さんを幸せにします。
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投稿者プロフィール
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メーカーにてAI関連製品の研究開発に携わった後、IT業界に転職。
仕事の傍らで産業カウンセラーの資格を取得し、心理支援の分野へ転向。
現在は心理カウンセラーとして都内を中心に活動している。
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