※人によっては、ちょっと心がざわざわする内容かもしれません。安全な環境で、気が向いた時に読んでいただけたらと思います。
こんにちは。
くれたけ心理相談室 江東支部の國木 晋之介です。 
突然ですが、「公正世界仮説」ってご存知でしょうか。
これは、「人の行いには公正な結果が返ってくるものである」という認知バイアスを指す言葉です。
この感覚が強い人は、「努力は報われる」「正義は勝つ」「悪事には天罰が下る」といった前提で物事を考える傾向があります。
被害者を責めちゃう
このバイアスの問題点は、被害者や犠牲者を責める思考に繋がりうるところです。
「ひどい目に遭うのには、それなりの理由があるはずだ」と考えてしまうわけですね。
ただ実際には、何も悪いことをしていないのにひどい目に遭ったり、十分に努力したのに報われないことも往々にしてあると思います。
この発想から来ていると思われる言葉は、「因果応報」や「自己責任」、「いじめられる方にも原因がある」など、枚挙にいとまがありません。
安心して頑張れる?
一方で、このバイアスには良い面(?)もあることが知られています。
研究によると、この感覚が強い人の方が未来に向けて前向きに努力しやすいんだそうです。
ただ個人的にはこのモチベーションの保ち方は、「理不尽なことへの耐性が低い」という点でリスクがあると感じています。
過度にこの考えを持って頑張り続けると、信じていたのと違う結果が訪れた時にショックが大きいことに加えて、「自分が悪かったんだろうか?」みたいに自分を責める方向に考えが進みがちなように思います。
じゃあどう頑張るか
かといって、報われる未来を信じずに頑張るのって難しいですよね。
私としては、「自分の納得のために頑張る」ぐらいがバランスがいいのかなぁ、と思っています。
「このぐらい頑張ってダメならまぁしょうがないか」、と思えるくらいまではやっておく。
この考えの出どころ
人が「公正世界」を信じるようになるのって、小さい頃に触れた本や、かけられた言葉の影響が大きいように思います。
勧善懲悪の物語とか、「努力は報われる」、「夢は叶う」とか。
そういうのって美しいし理想的ではあるんですが、それを真に受けた当人が後々苦しむこともあるという点で、呪いにもなりうるよなぁ、と時折思います。
実際のところ
皆さん実際のところ、どう思います?
自分の行動によって、未来ってどのぐらい変わるんでしょうね。
個人としてはちょっとずつ世界が「公正」になっていくことを願いつつ、こういったバイアスについて学び続けていきたいなぁ、なんて思っているのでした。
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